<助成団体活動取材ノート> Vol,18 特定非営利活動法人 未来地域研究所

Vol.17で紹介したかわせみ中部長野支部とともに、床下の泥出し現場活動をされていた特定非営利活動法人未来地域研究所理事長 鳥羽俊矢さんに現場でお話を伺いました。

未来地域研究所は、浸水被害家屋の復旧支援や松本市内を中心に地域防災教育の推進等の事業を展開されており、昨年の台風19号災害においては、長野市南部災害ボランティアセンターの運営支援や現地で活動される団体の支援をされてきました。

理事長の鳥羽さんは、東日本大震災の際に東北地方にご友人がいらっしゃったことが契機となり、駆け付けてボランティア活動をされていたご経験があります。その時与えられた業務は物資倉庫の管理だったそうですが、現場で支援活動を行う様々な団体を見ていると、それぞれがバラバラにやりたいことをやっているというような状況で、ニーズとのマッチングもなく、必要な支援がちゃんと届いていないと感じたそうです。

そこで、各団体の支援内容をリスト化し、被災者の方がしてほしい支援と支援できる団体の調整役を自主的に始めたそうです。この東北での支援活動が、その後防災に関わる活動を行うきっかけとなったとのことです。

「昨年の台風19号被害の際も、同じような状況はあったと思います。誰かが調整役をやらないとせっかくの支援の手が届かない事態にもなってしまいます。被災後開催されていた情報共有会議はいろんな支援者の情報が入手できる場でしたね。」とおっしゃいます。

情報共有会議は、長野県災害時支援ネットワークが主催し、市内各所で二十数回開催されていました。3月以降はコロナウィルス感染症の拡大防止の観点から開催が難しくなってしまいましたが、

行政関係の情報や被災地の情報、支援団体の情報など、幅広い情報交換ができる場でした。その情報共有会議で未来地域研究所さんとかわせみ中部長野支部さんとの繋がりが生まれたそうです。以降、お互いの持つスキルを持ち寄り、連携した支援活動を展開されています。

また、鳥羽さんは、地元松本市で地区の役員や公民館長を経験する中で、防災教育の必要性を痛感し、未来地域研究所として地域に密着した防災教育の講習会を開催されています。平常時から災害が起こった際どのように行動するか意識し備えておくことが重要と力を込めて話されます。この取材の日も、終日床下の泥出し作業を終えた後、夜は松本市で防災講習会の講師をされるとのことで、疲れた様子も見せずに笑顔で帰って行かれました。次の機会には防災教育のお話をお聞きしたいと思います。

左端:鳥羽さん(かわせみ中部さんとの作業の後撮影)

-取材日:2020.7.11-