<助成団体活動取材ノート> Vol,19 ドライブインシアターNagano

ドライブインシアターNagano代表の谷政実さんにお話を伺いました。

代表の谷さん

 谷さんは、vol.8でご紹介した翠翔会さんとしての活動のなかで何年も無料映画上映会のご経験をお持ちでしたが、コロナウィルス感染症の流行により屋内に集まって上映会を行うことがなかなか難しい状況になってしまいました。

そこで、感染防止対策をしつつ開催できる方法として、車に乗ったまま鑑賞できる「ドライブインシアター」という方法を取り入れ開催をされています。なぜ、映画なのか、谷さんはこんなふうにお話してくれました。

 「昔はよく地域の公民館で上映会とかありましたよね?今はあまりないらしんですよ。映画文化がなぜいいかというと、みんなで見るからなんです。見終わった後に映画の感想などかならず会話になるし、それが世代を超えて観た人みんなで共有できます。そして、ドライブインシアターがさらにいいのは、必ず大人が一緒じゃないと来られないというところ。運転は大人しかできないですから。映画館であれば子供だけで見に行くケースもあるかもしれませんが、ドライブインシアターは家族みんなで楽しめて、共通の会話が生まれる。そこが大事なんです。」

 コロナ対策という観点だけでなく、実はもっと重要な理由があったんですね。確かに、映画って誰かと一緒に観ればもちろんですが、たとえ一人で見に行ったとしても、後から「あの映画観た?」「観たよ!あのシーンが感動したよね」なんて友達同士で盛り上がって「映画」を通してコミュニケーションが深まりますよね。

 今回の助成事業では、いろんな団体と協働で事業を行うプロジェクト方式にされているのですが、それは映画を上映するということだけでなく、子ども食堂との連携で物資の提供や親子支援ができたり、被災者支援グループとの連携で、被災者ニーズに沿った事業内容を盛り込めたりと、色んな方向性で支援ができるためとのことです。

 「映画がなければ生きていけない、というものではないですが、『楽しみ』については多分、衣・食・住の次にくるものじゃないですかね。だから、そういう『楽しみ』や『楽しい場所』を提供しようと思って活動しています。」

 必要最低限のものがあるだけではつまらない。「楽しみ」があるから暮らしなんだと思いました。今後もドライブインシアターNaganoさんの活動に注目したいと思います。

-取材日:2020.7.27-