「ちゃかぽか松代」副代表の青木恵さんにお話を伺いました。
被災直後、何かできることはないかととりあえずタオルをかき集めて被災地区を回った青木さん。一軒一軒被災した住宅を訪ねるうちに、いろんなニーズが見えてきたと言います。
「JAなどの店舗も被災してしまったのですぐに食べられるものが手に入らなかったんです。じゃあ車に乗って離れたスーパーに行くかというと、皆さん作業で泥だらけですからとても出かけられる状態ではなくて。」
そこで、炊き出しが始まりました。炊き出しは、空腹を満たすということはもちろんですが、少しでも被災した皆さんに元気になってもらいたい、という思いが青木さんにはありました。
「お宅を回っていると、取り残されたようにポツンと一人でいる人もいるんです。そんな方が少しでも前を向けたらと思って盛り上げる意味もあって。」
11月1日にJAの店舗がオープンすると同時に炊き出しは終了となりましたが、その後も心を元気にする活動を、という思いで「ちゃかぽか松代」が立ち上がり、イベントを中心に活動をされてきました。12月に開いたクリスマス会では、リース作りやゴスペルソングのコンサートなどで大いに盛り上がったそうです。
ご自身の支援活動を振り返り言われたことは、被災地以外の人間が関わることの重要性でした。被災直後は区や自治会など住民組織が中心となり情報連絡や指揮系統が取られることが常だと思いますが、自らも被災者である役員及び家族に相当な負担がかかるとともに、平常時には起こらないような気持ちの行き違いも起こるケースがあります。すべてを地域内で何とかしようとするのではなく、外部の支援者とうまく連携することが早期の復旧にもつながるとおっしゃいます。
イベントを中心に活動してきたちゃかぽか松代さんですが、今後の活動では「防災」というキーワードを盛り込んで活動を計画中です。炊き出し体験や、疑似災害体験など災害の経験を将来に活かす取り組みを予定されていますが、コロナウィルスの影響もあり、動画配信などWEBを活用した方法も模索しているそうです。
もう一つ、被災住宅の壁の中や床下のカビ処理の必要性について、篠ノ井など南部地域では担い手も不足していて対応できていないのではないかと懸念されていました。そんなニーズも探り、関係のある団体と連携を取りながら支援をしていきたいとのことです。常に現場のニーズに目を向けていらっしゃるきめ細かな対応が印象的でした。