<助成団体活動取材ノート> Vol,06北信焼物展実行委員会

千曲市アートまちかどを訪問し、「北信焼物展実行委員会」の実行委員長石坂茂さんと事務局の布谷理恵さん、山岸温子さんにお話を伺いました。

(左から)事務局山岸さん、実行委員長石坂さん、事務局布谷さん

今回の助成金の申請では、被災直後から現場でボランティア活動をされてきた団体さんが多いのですが、陶芸家さんで構成される北信焼物展実行委員会さんは、作品作りを通じて被災者の方に元気になってもらうための活動にできないだろうか、と計画をしていただきました。

北信焼物展は毎年開催されている展覧会ですが、今年度は被災地復興支援企画として被災したこども達を対象に陶芸体験のワークショップの開催や、そこで制作した作品の焼物展での展示を計画されています。こども達が自分で作った器で味わう抹茶体験も予定されています。コロナウィルスの影響もあり、一部計画の見直しも余儀なくされていますが、参加される皆さんが心配されないようなやり方を、現在検討されているとのことです。

 また、日ごろから陶芸家の皆さんがお世話になっていらっしゃる北信地域唯一の陶芸専門店「長野陶材」さんが被災されたため、ご自分たちにできる何らかの支援をしたいとのお話もありました。

 今回の助成金申請には「様々な意見があった」と石坂会長さんは率直におっしゃいます。被災地を応援しようという気持ちはあっても、自分たちに何ができるのか、いざやるとなったときの体制はどうするのか、など、色々議論されたそうです。通常はそれぞれ独自に陶芸活動をされている皆さんの連携体制は、傍から想像する以上に難しいことだろうと思います。それでも被災地を思い、行動に移してくださったことは、いろんな支援のあり方を提示していただいたように思います。

 この日訪れた「千曲市アートまちかど」は、2階が美術館になっていて、千曲市出身の作家さんによる絵画や切り絵、陶芸作品が多数展示されていました。その空間に一歩足を踏み入れた途端に、美しく圧倒的な作品の世界に引き込まれ、心洗われた思いでした。被災された方の心の復興に向けた焼物の力にますます期待が膨らみました。

-取材日:2020.6.5-

千曲市アートまちかど外観