マツシロックプロジェクト事務局の村井善晃さんと竹内雄太さんにお話を伺いました。
マツシロックプロジェクトは、松代で産出される柴石を使って、新しい松代の土産品を作ろうという取り組みとして始まったプロジェクトで、平成26年のNHK大河ドラマの「真田丸」以降の観光誘客の一環としてスタートしたそうです。
「柴石」といえば松代で産出される安山岩のことを指すそうで、松代城(海津城)の石垣に使われていることから、少なくとも戦国時代から地元で使われていた古い歴史を持つ石なのだそうです。現代では善光寺参道の石畳にも使われているとのこと。身近にそんな歴史ある石があるとは!
プロジェクトでは、柴石を「石」としての従来の使われ方だけでなく、アートとしての魅力を付加することで、戦国時代、松代城、善光寺、といった歴史的背景を持つストーリー性のある土産品開発に取り組んでこられました。柴石を粉末にして練り込んだ陶器やガラスの器も地元の作家さんたちと開発されているんですね。
そうしたこれまでのご経験から、「アート」が持つ発信力の強さや「ものづくり」を、被災地支援につなげられないかと検討され、今回、ものづくりを通じた被災者の「心の復興」につながる事業を計画されています。
市内の作家さんと連携し、被災者を対象とした陶芸やクラフト等いろんな「ものづくり」ワークショップを企画されています。コロナウィルス感染症の影響で一部見直しせざるを得ない状況もあるそうですが、「規模は縮小するかもしれませんが、やります。」と事務局のお二人は意欲的でした。
もう一つは、アートの発信力を活かしたチャリティアート展も計画されていて、復興をイメージした商品開発、アート展の開催により、その収益の一部を「松代復興応援実行委員会」(VOL.1で紹介)等の復興支援団体に寄付をすることを検討されています。そうした、収益を支援活動に充当していくことによる継続的な復興活動も模索されているそうです。
「台風19号災害で全国からボランティアの方が7万人も来てくれたんです。そんなに来てくれた例は他にないんです。だから、その方たちとのつながりがこの先も続くような仕掛けを考えたいんです。」と村井さんは言われます。その「仕掛け」の一つが「アートの力」なんですね。今後の展開も楽しみなマツシロックプロジェクトさんのお話でした。
-2020.6.22-