代表の太田秋夫さんにお話を伺いました。
太田さんはHopeApple(穂保被災者支援チーム)としての活動を通じて被災者支援を一貫して行ってこられましたが、時間が経過するとともに生活の支援とは別にメンタル面でのケアの必要性が見えてきたと言います。
「雨が降ると不安になったり、夜眠れなかったり、心身の不調を訴える人が結構いるんです。いわゆるPTSDですね。そういう方へのメンタルケアが必要。」と太田さん。
避難所生活やこれまでのコミュニティとは違う場所での暮らしで、被災者の方に疲労の色が見えていることに懸念を覚えた太田さんは、まずは被災者の方に前を向いて頑張ってもらいたいという思いから、今年1月13日に「明日に向かって踏み出す集い」を開催されました。ちょうど避難所が閉鎖されて1か月のころで、まずは被災者の皆さんの気分転換や気持ちのリフレッシュになればとの思いで企画されたそうです。太鼓や落語などのステージ演目や遊びができるコーナー、炊き出し屋台などを盛り込んだイベントに100人以上が集まってくれたそうです。やはり皆さんちょっとした息抜きの場が必要だったんですね。
継続的なメンタルケアには専門性も必要で、自分の心の状態を自力でコントロールするために脳科学の見地から理解する必要があるとのこと。そのため、被災者向けにセルフコーチングセミナーを開催し、自ら対処できるようにしていくことが必要だと太田さんは言われます。コロナウィルス感染症の影響もあり、大人数を集める形ではなく、少人数でもできる形で開催をしていきたいとのことです。他者の支援を受けながらも、自分自身で乗り越えていかなければならない問題なんですね。
こうした災害によるPTSDは、被災地ではいつもつきまとう課題だと思います。岡山県真備町で起きた水害での経験など、他の被災地でどう乗り越えてきたのかも参考にしながら、長野での取り組みに活かしていきたいとのことです。
(取材日:2020.6.22)