<助成団体活動取材ノート> Vol,16 RR(絆の会職員労働組合有志の会)※Resource Recycling

長野市内にある社会福祉法人絆の会さんにお邪魔し、西川洋介さんと丸山真紀さんにお話を伺いました。

チップを手にする西川さん(左)と丸山さん(右)

 社会福祉法人絆の会は、障害を抱えている方の働く場や住まい、学習の機会等を設けることで、安心して地域で暮らすことができる活動をされている事業所で、長野市内の各所で事業展開されている団体です。

絆の会さんが台風19号災害に関わることとなったきっかけは、県社会福祉協議会を通じて「農福片付けプロジェクト」に関わったことでした。農地に流れ着いたゴミや流木などの片づけを地元の農家さんやボランティアの方たちと一緒になって施設の利用者さんが作業を行ったそうです。

「最初は農家さんも障がい者がどこまで作業ができるのかわからない部分があったと思いますが、利用者さんの中には結構力がある方もいたり、得意な作業がある方もいたりするので、予想より作業が進んだ面があったと思います。それを見た農家さんたちの口コミで評判が広がり、作業依頼の引き合いが結構ありました。」と西川さん。

プロジェクトとしての仕事は2月で終了しましたが、その作業の状況を見て「今後にもつながる活動にできるのではないか」と西川さんと丸山さんは考えました。そして、リンゴの幹や太い枝は薪としての需要があるものの、細い枝はほとんど需要が無く処分するにも費用がかかる実態をみて事業所にあるチッパーの存在を思い出し、剪定枝を使って燻製用のチップを作ってみたそうです。

「なかなか思うようなチップにならなくて。枝のままチッパーにいれたら長めになってしまうし、剪定ハサミであらかじめ短く切ったら手間がかかるしで、まだ完成品とは言えないんですが。。。」と言われる西川さんですが、リンゴの木のチップで燻製したらどんな味になるのかとても興味が湧きます。

一方で、「燻製用チップにこだわっているわけではない」とお二人は言います。りんごの剪定は毎年発生する作業で、それを有効活用出来たら被災した農家さんが農業を継続するお手伝いがこの先もずっとできる、利用者さんの仕事にもできる、その仕組みをまずは作れたらと思っているのだそうです。チップは一つのアイディアとのことです。

「農業分野と福祉分野、民間企業等が連携し商品化することで、資源の有効活用ができ、そこから生み出される利益の一部が農家さんの支援に繋がったり、障がい者の仕事の創出につながったりという仕組みにと思うんです。ただ、自分たちだけではできないので、協力し合える仲間とまずはつながりを持つところからです。」と言われるお二人。もし、興味がある団体さんや企業の方がいらっしゃったらぜひお声をあげてくださいね!

-取材日:2020.7.3-