<助成団体活動取材ノート> Vol,02”長野ブラッシュボランティア”

長野ブラッシュボランティアの代表 高橋伸幸さんにお話を伺いました。

 長野ブラッシュさんは、国道18号線の通称アップルライン沿いで雪が無くても練習できるスキー・スノーボードの施設を経営されていましたが、台風で施設が水害に遭い営業ができなくなってしまいました。しかも、10月~11月はウィンターシーズンを目前に控え、練習に訪れる人が最も多いかき入れ時の時期とのこと。そんな状況を前に高橋さんが動いたのは営業所の周辺で被害に遭われた住民の方や事業所への支援活動でした。

 「自分のところはもう当分営業は無理。それなら何をやったらいいんだろうと思ったとき、とにかく周りは被災者だらけだったので自分ができることを何でもやってみようと思った」と高橋さん。被災した翌日にはもう動き出していました。

以前からつながり合っていた仲間や顧客の皆さんに向けてSNSやホームページで絶えず現場の状況を発信し続けました。すると、多くの人が呼びかけに応え、物資を提供してくれたり、現地にボランティアとして足を運んでくださる方が続出したそう。そのコーディネートに四苦八苦されていたエピソードもお話しくださいました。

豊野地区は建物の1階は被災しても2階で生活している方が多く、寒くなる時期の到来に向けてストーブが必要と気づき、集めたストーブなんと約750台!全国各地から郵送で送ってくれた支援者の方もいたそうです。改めて災害時のSNSの有効性を実感したとのことです。

もう一つ、気づかされたのは、事業所への支援活動です。通常、ボランティアによる支援対象は住宅、住民への支援で、事業所に対してはほぼボランティア支援がないそうですが、個人で経営されているような小規模な事業所は、やはり自分の力だけでは手が回らない。高橋さんは、現場での直接的な労力の提供だけでなく、様々な申請書類の作成のお手伝いなど、支援の隙間になっているようなニーズを取りこぼさずきめ細かに対応されていることも印象に残りました。

現在、コロナウィルスの影響もありボランティア活動は縮小しているそうですが、高橋さんはボランティアへの参加意欲が落ちている現状はコロナの影響だけではない気がする、と災害の風化を懸念されていました。そんな心配もあり、地域を盛り上げていく継続的な活動として、被災者支援は引き続き継続しつつ、新たにこどもの居場所づくりやイベント等も展開していきたいと熱を込めてお話されていました。

今後もますます楽しみな長野ブラッシュボランティアの取組、また取材に伺いたいと思います。

ー取材日:2020.6.3-

土嚢で陥没した地面を埋める作業
新しい活動拠点の改修に着手!