<助成団体活動取材ノート>vol.30 長野県被災者支援ボランティア 雷鳥

当時は毎週の土・日曜日、現在も依頼があれば被災家屋の床下泥出しなどに取り組んでいる「長野県被災者支援ボランティア 雷鳥」の代表を務める清水圭吾さんにお話を伺いました。

「それまで災害に関りはなかったのですが台風19号による地元での大きな被害を知り、自分にできることはないかと考えました。身支度さえしていけば、できることはきっとある。なにか手伝いたいと思って、長野市の南部ボランティアセンターへ駆けつけました。それから毎週の土・日曜日は、ボランティアに出かけていました。活動の中心は、長野市の松代と篠ノ井。数えきれないほどの床下を見てきました。」と振り返ります。

「はじめは一般ボランティアの一員でしたが、被災家屋の床下泥出しに人手が要ると聞いて参加しました。もともとアウトドアが好きで、自動車整備士をしているので、汚れることも気にならず、狭いところも暗いところも平気だったので、床下もそんなに変わらないかという感じで泥出しに加わりました。」と言います。中には床下に潜ってから「自分は閉所恐怖症だった」と気づく人もいたそうです。

県外から来ていたボランティアに付いて技術と知識を学ぶうち、一軒の作業を任されるリーダー役になりました。一般的には1軒あたり5人ほどのグループで作業しますが、広い場所になると10人で2日間かかったと言います。作業の全体を仕切るのがリーダー役です。

2020年4月、新型コロナウイルス感染拡大防止の緊急事態宣言が出され、県外からのボランティア受け入れが難しくなったのを機会に、清水さんはボランティアセンターで知り合った仲間6人とともにボランティアグループ「長野県被災者支援ボランティア 雷鳥」を結成して上田市社会福祉協議会に登録しました。声が掛かれば、佐久方面へも出かけて行くし、河川敷のゴミ拾いといったボランティア活動もするそうです。

清水さんが床下を見た家の中で「もう大丈夫」と言えるのは3割ほどしかないそうです。「問題は床下の水分とカビ。乾燥し始めるまで心配は尽きない」と言います。 床下は、立地や地盤などによって入り込んだ泥の量と水分量が異なり、状態はさまざまです。中には、水滴が垂れるほど濡れた木があったそうです。木についた泥をとってブラッシングし、表面をきれいにすれば水分が徐々に抜けていきます。木が水を含んだままにしておけば、床が沈むなど家そのものがダメになってしまいます。カビや雑菌が繁殖すれば、健康にも影響が出てきます。

床下に腹ばいで潜っての作業(写真は清水さん提供)
床下での作業の様子は<助成団体活動取材ノート>vol.17かわせみ中部長野支部 をあわせてご覧ください 

「できれば1件ずつ見て歩きたい」と清水さん。床下の状態を知らないまま、家まわりの泥だけをとって終わりにしたような家が、特に心配だと言います。必要なのは、空気の入れ替え。床下は、とにかく乾燥させることが大事です。通風口があれば開けて送風機をかけるだけでも、乾燥が進み状態がよくなるそうです。

「なにかできることは」と、ボランティアセンターへ駆けつけたあの日から、数えきれないほどたくさんの床下を見てきた清水さん。「床下での作業は大変ですが、喜んでくれた方々の姿に『やってよかった』と思いました。これからもぜひ家の状態を気にかけて、不安になったら声を掛けてほしい。見るだけなら一人で出かけていきます。」と、心強い言葉をいただきました。

取材日2021年3月17日(取材・写真・文責:吉田百助)