<助成団体活動取材ノート> Vol,07豊野高等専修学校

豊野高等専修学校を訪問し、副校長の奥田孝志先生とボランティア委員会代表の清水愛音さん(3年生)、副代表の関谷省吾さん(3年生)の3名にお話を伺いました。

テキスト ボックス: 左から 奥田先生、関谷さん、清水さん
(左から)奥田先生、関谷さん、清水さん

清水さんと関谷さんは、台風被害の後、避難所で子供たちの遊び相手になったり、学習支援をしたりと積極的にボランティア活動をされてきました。そのきっかけとなったのは、ある光景を目にしたからとのこと。

「被災直後、子供たちが土砂やゴミなどが散乱している場所でうろうろしていたんです。親御さんは自宅の片付けで手いっぱいで構っていられない状況があって。」

親御さんとしては、避難所にお子さんだけを残していくわけにもいかないから一緒に連れていくけれど、作業で忙しい中、付きっきりで面倒を見てもいられない。そんな状況だったのだろうと思います。復旧作業中の子どもの居場所づくりの必要性を感じたお二人は、避難所でお子さんたちと交流を始めました。

一緒に遊んだり、時には勉強を教えたりと活動の仲間は徐々に広がり、避難所が閉鎖された後も児童センター等へ場所を移しながら活動を続け、コロナの影響で活動ができなくなるまでに延べ134名の学生さんが活動に参加してくれたそうです。

6月1日から学校もようやく登校できるようになったことから、今後の活動に向けて準備を進めているお二人ですが、被災後の活動の経験をもとに、今後ボランティア委員会が様々な地域活動を企画し多くの学生の参加を募りながら住民の方との交流を深めていきたいとのこと。「ここ(学校)には、様々な個性を持った学生がたくさんいます。音楽が得意な子もいるし、スポーツが得意な子もいる。いろんな生徒がいるこの学校のことを地元の人に知ってもらいたいんです。」と話す清水さん。ひたむきな気持ちが伝わってきました。

今後のプランとしては、豊野高等専修学校の服飾や情報技術、介護など専門課程がある特徴を活かし、専修学校に地域の子供たちに来てもらい、専門課程の体験をしてもらうことを計画中とのこと。また、すでに駅や街頭でのあいさつ運動や公園の草取り、ゴミ拾いなども積極的に行っていて、生徒さんが地域に出て活動することが住民の方への良い刺激になっているのではないかと感じました。奥田副校長先生からは「生徒がやりたいということには全面的に協力します。」と心強いお話があり、学校側のサポートが生徒さんたちの活動の支えになっていることを感じました。

掲示板での呼びかけ

被災時のボランティア活動がその時だけで終わるのではなく、地域との交流活動として受け継がれていくことに期待すると同時に、清水さんと関谷さんのまっすぐな思いに触れて私も良い刺激をいただきました。

-取材日:2020.6.12-